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本日、東京都渋谷区において「同性パートナーシップ」を認める条例が成立したことを歓迎します。

今回の条例の法的効果は、渋谷区長自身も認めるように、極めて限られています。婚姻の法的効果は、民法、戸籍法の他、社会保障や税制などについてそれぞれ関連する法律によって規定されており、条例はこれらの法律に対し何ら効果を及ぼしません。婚姻にほぼ相当する海外の同性パートナーシップ制度とは大きく異なるものです。

しかしながら、同性パートナーとの関係が何ら認められない日本において、初めて公的に同性カップルを公的に認知する今回の条例は、当事者やその家族にとっては極めて大きな支えとなるものであり、社会的・政治的に大きな一歩であると言えます。

「ゲイやレズビアンとして生きることは日本では差別されていない」と言われることがあります。確かに性的少数者でも、一人で生きるだけなら、法的な差別に直面することは基本的にはありません。しかし、共に生きたいと思う同性パートナーとの関係が、男女の婚姻と同様には認められないという意味では法的な差別に直面していると言えます。

多くの性的マイノリティーの人達にとって、思春期に性的マイノリティーであると気づくことは、将来自分が愛する人との関係が、友人や家族にすら祝福されることはなく、むしろ異端視され、揶揄、嫌悪の対象にすらなるのだと気づき、そして恋愛や家族の形成という人生の大切な一部を諦めざるを得ない絶望と恐怖の淵に落とされることを意味します。

渋谷区の「同性パートナーシップ条例」は、これらの声のあげられない人々に温かいメッセージを発信し、性的マイノリティの子どもたちの自尊感情や自己肯定感を高め、合わせて人権感覚を育む意義を有するものとして高く評価されるべきです。

日本国憲法もその前文で、「われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する」と述べています。渋谷区の条例は、この憲法の理念を具現化するものだと言えます。

海外では、既に約40カ国において同性婚・同性パートナーシップ制度が認められており、それらの国のGDPは世界の50%超を占めるまでになっています。残念ながら日本はそこに含まれていません。他の自治体および国のレベルにおいて、同様の前向きな立法・施策が進むことを強く望みます。