11月26日、EMA日本は、来年実施される国勢調査における同性カップルの扱いについて、総務省統計局長宛の要望書を、他の団体(下記)との連名にて提出しました。
これまでは同性婚しているカップルが「エラー」となるなどの問題が国会でも指摘され、改善が望まれていました。担当課長からは対応について前向きな回答が得られました。
以下要望書の要点を掲載します。
1.要望の概要
(1) 現実の多様な家族形態を統計的に正しく把握できる調査となるよう要望します。
(2) 同居の同性カップルからの回答を誤記入扱いせず、当人たちの意向を損なわずに集計してください(また後日再集計できるようにデータを保管してください)。
(3) 同居の同性カップルを含む、性的マイノリティに対して、プライバシー侵害や困惑を与えることなく、円滑に調査がなされるように運営・監督してください。具体的には、 別紙「具体的要望事項」を御覧下さい。
2.要望理由・背景
(1) 実態と法的位置づけ国内には同居している同性カップルがすでに一定の割合で存在しており、また近年増加傾向にあります。海外では同性の婚姻やパートナーシップがすでに約40カ国で法的に認められており、国際化の進展によりそれらの制度に基づいて婚姻あるいはパートナーシップを締結したカップル(片方が日本国籍の場合も含む)が日本で居住するケースも増えています。政府は、同性カップルに対して住民基本台帳・住民票上の扱いや在留資格に関して一定の配慮をしています。また、日本も批准している国際人権規約においては、同性カップルも異性カップルと平等な扱いが求められています。
(2) 前回の国勢調査での扱いとその問題点同性カップルの実数や実態を正確に把握することは、より正確な人口予測や福祉政策立案などにも役立ち、当事者のみならず国民全体にとって貴重で有益な情報です。しかし、前回の国勢調査では、調査の際に、同居の同性カップルが実態を正確に回答したにもかかわらず、調査票をチェックした調査員により、別世帯とするよう強いられるといったことが起きています。また、集計の前段階では、同居の同性カップルが生活実態通り回答しても誤記入扱いされて機械的に「修正」され、存在しないことになっていました。「修正」前のデータは破棄され、後からの再集計も不可能になっています。
(要望書の提出団体)
いのち リスペクト。ホワイトリボン・キャンペーン
NPO法人 EMA日本
NPO法人 共生社会をつくるセクシュアルマイノリティ支援全国ネットワーク
特別配偶者(パートナーシップ)法全国ネットワーク
LOUD
レインボー金沢