世界の同性婚の情勢2015.11.30

同性パートナーシップ等をめぐる最近の動きについて

神奈川県海老名市の市議会議員が、「同性愛は異常」と発言して批判されると酒を飲んで酔っていたと釈明しました。議長が本人を厳重注意したとのことですが、こうした誤解にもとづく差別発言(それも公職にある人物の)が当事者を苦しめる時代は一日も早く過去のものとなってほしいです。EMA日本も代表団体の一つであるLGBT法連合会では、この差別発言に関する声明を発出しました。

一方で兵庫県宝塚市は来年から同性パートナーシップ証明を発行すると発表しました。渋谷区・世田谷区に続いて東京以外にもこうした動きが広まることに勇気づけられます。また、民間企業においても、同性カップルを異性婚カップルと同様に扱う動きが見られます。性的指向や性自認という生まれながらに有する特徴によって特定の人たちを差別をすることが許されないという認識が、ようやく日本でも広がってきています。

来年法律が実施される国もカウントすると、現在、世界で同性婚を認める国は21か国、同性パートナーシップを認める国は26か国に及びます。合計47か国のGDPは合計で世界全体の約6割を占めます。また47か国の国民一人あたりGDPは40,000ドル近く。その他の国の5,000ドルと比べ、いかに繁栄した国々であるかが分かります。残念ながら日本は後者に属しています。バブル崩壊後の長い停滞に苦しむこの国の政治家に直視していただきたい現実です。

自治体による同性カップル公認の動きは、これまでは存在すら認識されてこなかった同性愛者など、特定の性的指向を有する人たちを社会に包摂しようとするものであり、画期的なことです。しかし同時に、自治体の条例によっては、相続や税控除・社会保障など、婚姻により認められる法的権利や給付は何ひとつ認められないことも私たちは認識すべきです。ここに、国のレベルで法律を改正し、同性婚を認める意義があります。

EMA日本は、こうした点への理解を広め、同性婚の法制化を一日も早く実現するべく、全力を尽くします。

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